「メディカル ジャパン東京」来月開幕 経営改善につなぐ場へ
RX Japan執行役員・矢島大地氏

「メディカル ジャパン東京」来月開幕
経営改善につなぐ場へ
RX Japan執行役員・矢島大地氏

<取材:CBnews>

 医療や介護の総合展示会「メディカル ジャパン東京」(東京展)が10月1日、千葉市の幕張メッセで開幕する。3日まで。物価高騰による収益悪化や人手不足など課題山積の医療・介護業界。それだけに業界関係者からの東京展への期待は、いつも以上に大きい。主催するRX Japan執行役員で東京展事務局長の矢島大地氏は、その期待にどう応えるのでしょうか-。

 どこの業界でも同じですが、とりわけ医療・介護業界での人材不足は深刻です。DXを活用して、なんとか人材不足を補おうと考えている医療・介護の経営者はとても多いと思います。ただ、DX人材は全業界で引く手あまたです。さまざまな業種の企業と競争しながらDX人材を獲得しなければなりません。診療報酬や介護報酬の公定価格で経営を考えなければならない医療・介護業界は、より厳しい環境にあります。

 また、公定価格ゆえに、収益が悪化したからといって一般企業のように製品やサービスの価格を上げて対応もできません。こうした一般企業とは異なる経営環境の中で、医療・介護業界の将来を展示会としてどう描けばいいのか。8回目となる今回は、これまで以上にその点を特に意識し、東京展を企画しています。

 特に収益悪化は、そのまま放置するわけにはいかない喫緊の課題です。ただ、医療人材を削ったり、医療機器や設備を減らしたりすることは、医療の根幹にかかわることだけに容易にはできないのです。ただ、コスト削減は急務です。そこで目を付けたのが省エネです。ここ数年、電気代などが高騰し、経営を圧迫していますが、省エネ対策で見ると医療・介護は他の業界に比べて遅れています。今回の東京展では、「省エネ・コスト削減ソリューションフェア」を新設し、医療・介護の経営者などにコスト削減での“気付き”を提供したいと考えています。照明や空調の省エネ対策から建物設備の省エネ改修、ITを使い建物全体の効率的なエネルギー利用を提案するなど、各病院・介護施設に応じた製品・サービスが集まっています。

 「医療DX・IT EXPO」も東京展では今回初めてとなります。今年3月に開催した大阪展も好評でしたが、今回の出展規模は、大阪展の4倍くらいで、出展企業は80社を超えています。個人的な見方になるのですが、バックオフィス系の製品・サービスを提案する企業が目立ちます。先ほどDX人材の不足の話をしましたが、バックオフィス系人材も一般企業との取り合いになっています。RPAや人事・勤怠管理、業務効率化ツール、コミュニケーションツールなど幅広い企業が出展しています。もちろん、電子カルテや遠隔医療支援、AI診断支援をはじめ、いまの医療DXがまるっと分かるようになっています。

 DX導入は、最終的に経営判断になります。今回の東京展のセミナーでは、複数の病院経営層に登壇していただき、経営目線でDXを知ることができます。また、「病院DXアワードプレイベント」も注目されます。今年3月の大阪展で1回目が開催された「病院DXアワード」(CBnews主催)ファイナルに進出したDX企業6社と、病院の事務部長、学会のDX委員長らで行う病院DXの本音ディベートです。DXの導入を検討している病院経営層には、とても参考になるのではないでしょうか。

 ほかにも「病院EXPO」や「介護・福祉EXPO」「次世代薬局EXPO」「未病・予防・健康EXPO」など数多くのエリアを用意しています。医療・介護の業界の課題改善につなげる場として、医療・介護の一大プラットフォームである東京展に、ぜひ足を運んでください。